コウノトリは東アジアに生息する、コウノトリ科の鳥です。
日本では一度野生絶滅しましたが、近年は野生復帰により生息数が増えています。
今回、真夏の8月にコウノトリを探しに行き、実際に野生のコウノトリを観測してきましたのでその内容を紹介します。
※コウノトリがリラックスしてフンをしている動画を撮影できました。
【コウノトリの郷公園】
今回、コウノトリを見に行くため、兵庫県豊岡市にあるコウノトリの郷公園に行きました。
コウノトリの郷公園はラムサール条約にも登録されている円山川の東に位置しています。
※同じラムサール条約に登録されている藤前干潟についてはこちらの記事をご覧ください。

※コウノトリの郷公園
コウノトリの郷公園ではコウノトリの生体展示や繁殖・研究活動を行っています。
日本でコウノトリについて最も詳しい機関と言っても過言ではないでしょう。
内部に兵庫県立大学大学院もあり、地域資源としても研究とされているようです。
コウノトリのデータベースも保有しており、可能な限り日本のコウノトリ情報を持っています。
そんなコウノトリの郷公園で情報収集を行いました。
①コウノトリの歴史
コウノトリは2400年前の弥生時代にはすでに日本にいたそうです。
江戸時代も広く分布していたそうですが、戦中・戦後には大きく数を減らし、1971年には日本での野生絶滅しています。
その後、コウノトリの繁殖を続けていましたが、2002年に野生のコウノトリが飛来します。
このコウノトリはハチゴロウと名付けられ、ハチゴロウによってコウノトリが生息可能なエリアだと判断されたことで放鳥が進むようになりました。
2005年以降、放鳥が続き、現在は500羽以上が野外にいます。
②コウノトリ文化館
コウノトリ文化館はコウノトリ全般の紹介をしています。
先の歴史だけでなく、コウノトリの観察場所の紹介やコウノトリを含めた野鳥・哺乳類の剥製の展示、地域の生態系の紹介、建物隣で飼育しているコウノトリの生体観察など様々なことを多角的に知ることができます。
建物裏には実際のコウノトリの巣の複製もあり、体感的にコウノトリについて感じることができます。

※コウノトリ文化館

※コウノトリの巣(複製)
③観察広場
観察広場では飼育されているコウノトリを見ることができます。
展示を見ると、1990年代生まれのものもおり、30年ほど生きている老齢のコウノトリを複数いました。
コウノトリは飼育下での寿命が30年+α程度とされています。
そのため、老齢になったコウノトリが観察できるようになっていると感じました。
コウノトリは3-5kgと非常に重たいため、飛ぶのが難しくなっている個体を保護しているのかもしれません。

※観察広場のコウノトリ(周囲は柵に覆われている)
【野生のコウノトリを探して】
さて、実際に飼育されているコウノトリを見ることができたため、目的は一つ達成しました。
できれば野生のコウノトリを見てみたいと感じていました。
コウノトリの郷公園には遊歩道があり、さらに奥には研究エリアがあり非公開エリアとなっています。
繁殖などを考えると、鳥インフルエンザなどの持ち込みが危険なため、隔離は正しいと思います。
立ち入り禁止エリアの手前まで歩いていきました。
①人工巣塔
豊岡市周辺にはコウノトリの繁殖に使用できるよう、人工巣塔が時々立っています。
コウノトリの郷公園を奥に歩いているとすぐ外の田んぼの中にも確認できました。
様子を確認したところ、残念ながらコウノトリの羽は残っていたものの、スズメの根城となっていました。

※複数のスズメが飛び回る人工巣塔(真ん中にコウノトリの黒い羽根が残っている)
②黒い羽根を持つ鳥がやってくる
さらに奥へ進むと人工的な湿地が作られています。
コウノトリのためでしょう。
ちょうどそこに一羽の羽先が黒い鳥がやってきました。
ドキッとしてよく見てみましたが、アオサギでした。

※羽先が黒っぽいアオサギ
③野生のコウノトリ発見
公開エリアの一番奥まで行くと、池がありました。
そこに大きな野鳥が二羽、コウノトリでした。

※二羽のコウノトリ
池をはさんで対岸側にいるため、あまり警戒しているようには見えませんでした。
そのうち一羽はエサを探してか活発に歩き回っていました。
その後飛んでいき、遠くへ姿を消しました。

※身体が重たいからか最初は低空飛行になるコウノトリ
もう一羽は食事がすでに終わっていたのか、まったりと羽のお手入れをしていました。
冒頭の動画はそのコウノトリがフンをしていた様子になります。
その他にも何度も羽をくり返しお手入れしていました。
④外が気になるお見合いコウノトリ
野生のコウノトリが見えたエリアの傍には、ケージの中にいるコウノトリたちがすごく外を気にしていました。
外で自由にしているコウノトリがうらやましかったのかもしれません。
ケージの中では相性のよい相手を調べるため、お見合いをしているようでした。
クチバシをカタカタと鳴らすクラッタリングと呼ばれる行動があるそうですが、
私が聞いていると、喉をうちならすような、カエルよりも低い、深く反響した大きな鳴き声をしていました。
「ゲゲゲゲゲ」といった音が近いかもしれません。
いずれにせよケージは非公開エリアなので近づけませんでしたが、公開エリアから比較的近いためコウノトリの鳴き声を聞くことができました。

※近くの池にいる野生のコウノトリを気にするケージのコウノトリたち
【その他】
- 私は過去にコウノトリを渡良瀬遊水地で見たことがありましたが、今回足環について知ったので、かつての写真を調べてみましたが遠方で不鮮明であり、個体が良くわかりませんでした
- コウノトリの足環は関節の上にあり、よくある足先の位置より一段高い位置にあります
- コウノトリの野生絶滅の原因の一つとして、農薬の影響があるといわれています
- かつての農薬は水銀を含んでいたそうで、現在は大きく改良されているようです
- コウノトリの郷公園以外でも野生のコウノトリを探しましたが、この時は見つかりませんでした

※渡良瀬遊水地のコウノトリ(写真真ん中左)は遠方なため足環が判断つかず
【まとめ】
今回は、公開エリアの一番奥までいくことで運よく野生のコウノトリと出会えました。
ただし、長時間いましたが私の他にそこまで行く人は関係者を除いていませんでした。
多くの人がコウノトリの郷公園を訪れていましたが、手前の飼育コウノトリを見て満足して帰ったのかもしれません。
ただ、実際にコウノトリが存在できる環境を肌で感じてみるのも楽しいと思います。
機会があれば、コウノトリの郷公園でコウノトリについて感じてみてはいかがでしょうか。
ーカメビギ

