絶滅危惧ⅠB類(EN)になったアマサギ|東海地方での観察記録と生息環境を解説

空飛ぶアマサギ 野鳥


アマサギはペリカン目サギ科の鳥です。
2026年3月に環境省レッドリストが改定され、それまでのリスト外から、絶滅危惧ⅠB類(EN)になりました。
これは有名なところでコウノトリと同等の絶滅の恐れがある状況です。
今回はアマサギについて見ていきます。

【アマサギについて】
アマサギは夏鳥であり、4月以降に本州以南に渡来し、繁殖後の10月ごろに南方に渡るとされています。
平野の水田や河原など、水辺に生息し他のサギ類とコロニーを形成します。
サギ類であるため、昆虫やカエル、トカゲなどの小生物を食べます。
サイズは50cmほどとサギの中では小型で、繁殖期には名前の由来の亜麻色?になります。
非繁殖期では全身が白色とされています。

田んぼを眺めるアマサギ

※田んぼを眺めるアマサギ

【アマサギの絶滅危惧種認定】
環境省の報告書によると、アマサギの現地調査での確認地点数がほぼ1/3になったため、絶滅危惧ⅠB類(EN)となりました。
詳細はこちらになります。
そもそも、環境省が作成するレッドリストは以下のような構成になっています。

※環境省HPより抜粋

上位ほど深刻ですが、これまではリスト外だったアマサギが絶滅危惧ⅠB類(EN)に今回入りました。
定点観測の結果を元に算定しているため、最新のデータが今回反映され、種の減少が明らかになったためと思われます。

【アマサギの分布】
個人的にはアマサギは太平洋側で見かけることが多く感じます。
ただ、日本海側の兵庫県豊岡市などでもみられるとのことで、全国的に広く分布していると考えられます。
先ほどの報告書の中では1990年代には東北地方に進出したとされています。
ここからはアマサギの私見を述べます。

【東海地方のアマサギ】
アマサギは東海地方で比較的よく見かけます。
静岡県磐田市での田んぼや、新東名高速道路を走行中に高速道路の上を通った姿を見たこともあります。
また、濃尾平野も時期によってはアマサギを見かけることがあります。
そんな中、個人的には2つのエリアが見やすいのではないかと思います。

①愛知県阿久比町周辺
個人的には非常に多くのアマサギがいるように感じます。
愛知県の知多半島は愛知用水ができるまで、常に水不足気味だったそうです。
知多半島で水が足りる際は尾張や三河では水が過剰(大雨や洪水になる)といわれるほどだそうです。
ただ、主要河川として阿久比川があり、阿久比川流域では何とか稲作ができたことから現在も田んぼが比較的多く残っています。
推察ですが、知多半島より南には陸地がなく、知多半島に到着しても田んぼが少ないため、田んぼが集中している阿久比町周辺に集まりやすいのではないかと思います。

遠くを見渡すアマサギ

※遠くを見渡すアマサギ

②愛知県田原市・豊橋市周辺
こちらも水不足が懸念されていた地域です。
戦後に豊川用水が開発されたことで、渥美半島先端まで用水可能になりました。
そのため田原市は多様な農業を行っており、全国屈指の農業産出額を誇ります。(令和6年度は全国市町村で1位)
田原市と豊橋市にまたがる汐川干潟近くの田んぼでアマサギを見かけることがあります。
渥美半島は太平洋に広く面しており、その中でも田んぼがある場所は渡ってきたアマサギが最初に落ち着ける場所なのかもしれません。

空を飛ぶアマサギ

※空を飛ぶアマサギ

いずれも、大規模にまとまっているわけではなく、他のサギに混ざっているか、少ない数で集まっていることが多いです。
個人的には4羽ぐらいで集まっている場面が一番よく見ます。

【田んぼとサギについて】
サギは田んぼを好みます。
田んぼはその浅さから、生物の繁殖にも適しており、獲物を捕獲しやすいのでしょう。
ただし、稲が伸びてくると避ける傾向があるようです。
おそらくは獲物を見つけにくくなるためだと思いますが、より伸びていない田んぼ、川、池、干潟に移動します。
この傾向はアマサギでも概ね変わりません。
稲がまだあまり伸びていない水田を歩いています。
一方でサギ類は他の野鳥と比べても警戒心が強く、非常に逃げやすいです。
田んぼは見晴らしが良い一方、サギからも良く見えるためサギの間合いに慣れるまでは近づきすぎに注意です。

湿った場所を探すアマサギ

※湿った場所を探すアマサギ

田植えが終わった時期のアマサギ

※田植えが終わった時期のアマサギ

稲が伸び、背丈が隠れるようになってきたアマサギ

※稲が伸び、背丈が隠れるようになってきたアマサギ

【まとめ】
今回、アマサギについて見ていきました。
個人的な感覚としては、絶滅危惧ⅠB類(EN)が実際どのような感じが実感がわきにくいです。
ただ、確実に急速に減少しているようです。
現在は、太平洋側でやってくるアマサギを見られているだけで、より北側などでは深刻なのかもしれません。
なかなか狙って見ることのできる野鳥かはわかりませんが、時期が合えばアマサギを探しに行っても良いのではないでしょうか。

ーカメビギ

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