GWの立山黒部アルペンルートを歩く──室堂往復で感じた見どころと高所の注意点

kurobe damu 山岳・自然


前回はライチョウについて詳しく見ていきました。
今回は、そのライチョウが生息する立山黒部アルペンルート全体について見ていきます。

行程を確認するとGWに訪れ、扇沢駅と室堂を往復しています。(扇沢駅発から扇沢駅着まで約8時間)
天候は前半は曇りor霧、後半は高所では雪と雹、低所では雨に見舞われました。

【立山黒部アルペンルートとは】
標高3,000m級の峰々が連なる北アルプスを貫く世界有数の山岳観光ルートです。
総距離37.2km、最大高低差は1,975m。その全区間が中部山岳国立公園内にあります。
富山県側の立山町「立山駅」と長野県側の大町市「扇沢駅」を乗り物で乗り継ぎ、いくつもの景勝地を通り、
気軽に、雲上に広がる立山黒部の大自然を満喫することができます。
※公式サイトより

alpen route

※公式サイトのアルペンルートマップ(扇沢〜室堂間の移動経路)

このように高低差が非常に大きいため、高所では空気が薄くなります。
体力や体調に余裕をもって行動することが大切ですね。
※室堂は標高約2,450mなため、酸素量は標高0mと比べておおよそ75%に減ってしまいます。

ここからは各場所を見ていきます。

【室堂(標高約2,450m・アルペンルート最高地点)】
①ライチョウ
前回紹介したライチョウは、この室堂周辺で見られる代表的な高山鳥です。
立山黒部アルペンルートで標高が最も高く、ライチョウの観察可能性の高いエリアです。
みくりが池を中心にぐるっと歩くことができるルートになっており、周辺に宿泊施設もいくつかあります。
また、室堂には立山自然保護センターがライチョウを含めた野生動植物の情報を得ることができます。
ライチョウは人間に慣れているようで、ほとんど逃げようとはしません。
リラックスしているので驚かせないように観察しましょう。

raicho eating and pooping

※食事しながらフンをするライチョウ

②立山室堂(山小屋)
室堂には日本最古の山小屋があり、国の重要文化財になっています。
江戸時代に建てられたらしく、立山信仰の拠点となっていたそうです。
1985年ごろまで使用されており、行った時には雪に覆われた状態でした。
このような豪雪地帯で長年にわたり維持管理されてきたことに驚きです。

murodou mountain hut

※雪に囲われた立山室堂

③地獄谷
室堂からは地獄谷がすぐそこです。
弥陀ヶ原は、約10万年前の噴火によってできた火砕流の台地です。
一方で立山本体は火山ではなく、隆起によってできた山です。
非常に近い距離なのに火山とそうでない山があるのは不思議ですね。
風向きによっては硫黄の臭いがし、現在は地獄谷への遊歩道は立ち入りが制限されています。
活発な火山活動の名残を間近に感じられる場所です。

④雪の大谷
観光名所です。
除雪車を二台使用し、積もった雪を上から掘り進めることで雪の段差を作っているそうです。
今回は最大高さで11mでした。
早い時期にいくと20m近い高さになるとされています。
20mも掘り進めるのはすごいですね。

snow valley

※雪の壁の高さが分かる「雪の大谷」の様子

josetsu sya

※除雪車

雪の大谷に行ったタイミングから雨や雹・雪が降ってきました。
これ以降は写真が暗くなります。

【大観峰】
電気バスで室堂と行き来することができます。
標高2316mの高い位置にあり、雪がそれなりに残っていました。
東側にはロープウェイが見え、その先には黒部湖が見えます。
高低差のある景色が一望でき、アルペンルートでも特にスケールを感じる場所でした。
GWでは初便に乗っていた多くのスキーヤーがここで降りていました。
バックカントリーがあるそうです。
5月でも滑ることができる場所は非常にレアですね。

daikanbou view

※大観峰からの景色

【黒部平】
ロープウェイで大観峰とつながっています。
このロープウェイはワンスパン方式というもので、途中にロープを支える支柱がありません。
日本で一番長い(1700m)ワンスパンロープウェイだそうです。
黒部平ではお土産ショップがあり、室堂のお土産とは種類が異なるものが売っています。
黒部平は標高が1828mと大観峰よりも500mほど低い位置にあります。
黒部湖が近くに見え、雪が溶けるとまた違った風景が見えそうです。
季節によって大きく印象が変わる場所だと感じました。

kurobedaira

※黒部平

【黒部ダム】
①黒部ダムについて
黒部平とケーブルカーでつながっている場所が黒部ダムです。
日本最大の堤高(186m)を持ち、非常に有名です。
1956年から7年かけて、関西電力が戦後の電力不足を解消するため、関西地方向けの水力発電のダムとして建設されました。
工事は複数に区間をわけ、それぞれを各ゼネコンによって行われました。
途中様々な難工事があり、結果として多くの殉職者(171名)を出しています。
新展望広場などでは様々な展示があるため、詳しくはそちらで見ることができます。

kurobe damu introduce

※黒部ダムの展示

現在は6月末ぐらいから観光放水を見ることができます。

kankou housui

※観光放水時の様子

②黒部ダムの外見
そんな黒部ダムですが、何といっても高いです。
広角レンズで撮ってもなかなか下まで画角に入りにくいです。

from kurobe damu view

※黒部ダムの上から見た様子

新展望広場に向かう最中は、今まで居たダムの頂点から下っていくため、
ダムの大きさが良く感じられます。

to kurobe damu view

※横から見た黒部ダム

非常に大きなダムなため、迫力がすごいです。
ワクワクする場所も多いのでぜひ一度みてみることをお勧めします。

kurobe damu facility

※ダム関連の通路

【移動について】
電気バスを含め、乗り物での移動が非常に多いです。
多くの人が行き来するので移動はテキパキ動きたいですね。
特にGWなどの繁忙期は乗り継ぎ時間に余裕を持つことが重要です。
また、空気が薄いためこまめな休憩が大切だと思います。

【食事・水分】
水分や食事の用意はしていった方が良いです。
魔法瓶にあったかいお茶を入れて持っていきましたが、室堂エリアは乾燥もしており喉がすごく乾きました。
また室堂エリアを周遊したころには沢山の観光客が訪れており、多少ある食事処などは早い時間にも関わらず長蛇の列になっていました。

【装備・天候】
天候の変化はある程度割り切るしかありませんが、悪いものだと思っていった方が良いです。
最終手段として室堂のお土産ショップで登山グッズが売っていますが、自分の状況に適したものかはわからないためあらかじめ用意していくのが無難です。
私は登山用の靴で歩いていましたが、雪が一部凍っており、滑って体を打ちました。
幸い出血等はなかったですがしばらく痛みで動けませんでした。
雪がある場合は、スパイク付の靴にするなど同じ場所でも時期によって対応を変える必要があると学べました。

【まとめ】
※特にGWや雪の残る時期は防寒と足元対策が重要です。
・高所で酸素が少ない → 無理をしない
・天候は急変する → 雨・防寒対策必須
・食事は混雑 → 持参がおすすめ
・足元は凍結あり → 登山靴やスパイク推奨

【最後に】
立山黒部アルペンルートは雄大な自然と巨大な人工物が垣間見える素敵な場所です。
特に
・初心者でも山を楽しみたい人
・雪景色を体験したい人
・ダムやインフラに興味がある人
にはお勧めです。
4月から11月までアルペンルートは営業されているので、天候や装備に注意しつつ、ぜひ一度そのスケールを体感してみてください。

-カメビギ

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