大足蛇車まつり──武豊町に伝わる竜の悲恋伝説。山車とダイナミックな花火が彩る夏の夜

手持ち花火 伝統・文化

愛知県武豊町には七月第三土曜日に大足蛇車まつりがあります。
蛇車(じゃぐるま)と花火を使ったお祭りで、豊石神社で行われます。
今回は大足蛇車祭りの様子を見てきました。

【大足蛇車まつりとは】
武豊町の東に位置する豊石神社での祭りです。
元々(旧)武豊町は長尾村と大足村が合併してできましたが、
長尾村の「武雄神社」と大足村の「豊石神社」の頭文字をとって「武豊」と名付けたとされます。
また、蛇車と呼ばれる山車(だし)をひきまわし、様々な仕掛け花火を使用します。
そのため、大足蛇車まつりとよばれます。
武豊町誌によると、かつては水上での花火が行われていたそうですが、現在は陸上で行われています。
また、知多半島風土記(知多社会科同好会編集)によると安永七年(1778年)ごろには40種類ほどの花火を作成していたようです。
その後、火薬製造の法規制などで自作できなくなり、昭和の終わりごろには10種類ほどに花火の種類は減っていきました。
一時期、無形文化財をめざしていたそうですが断念したようです。
残念ながら資料の多くが、祭り花火で使用する紙として転用されていたようで、当時の詳細な記録があまり残っていないそうです。

蛇車と花火の様子(蛇ノ口花火)

※蛇車と花火の様子(蛇ノ口花火)

【悲恋伝説】
メインイベントは蛇ノ口花火です。
これには竜の娘と人間の男の悲恋伝説にゆかりがある花火となっています。
昔話のあらすじは以下の通りです。

豊石神社の祭りで美しい小夜衣(サヨギヌ)という女性(の姿をした娘竜)と、城の家老の息子の高木作之進が出会い、次第にお互いに恋焦がれるようになる。
しかし小夜衣は父母から海に戻ってくるよう求められる。
小夜衣は拒否しますが、その時父竜のよんだ雷が落ち小夜衣は亡くなってしまいます。
最後に高木作之進が小夜衣のむくろを見つける。

※詳しくは武豊町観光協会HPをご覧ください。

この話は武豊町観光協会HPによると1573年ごろのお話だそうです。
当時、知多半島や刈谷は水野信元が治めており、清須同盟などでも活躍していました。
家臣に高木氏がいたので高木作之進はその関係者でしょうか?
水野信元の治めた時代背景と重なるため、伝説の年代設定にも説得力があります。
現在も亡くなった娘竜の霊を慰めるため蛇ノ口花火が行われているそうです。

【大足蛇車まつり】
実際に大足蛇車まつりを見てきた様子になります。
日中は山車が町を練り歩くようですが、私は薄暮の時間に豊石神社に行きました。
JR東海の武豊駅(武豊線終点)から歩いて10分程度になります。

境内には出店が多くあり、中心に蛇車が置かれていました。

豊石神社の鳥居前

※豊石神社鳥居前

蛇車(山車)

※蛇車(山車)

そして19:15から花火が始まりました。
序盤が一番驚きました。
花火を飛ばして提灯に火をつけていました。

花火会場の様子

※左のポールから右のポールに花火を飛ばす

写真の左側にある国旗が掲揚されているポール辺りから花火を飛ばして、写真右側の御神前とかかれたポールにあて、その火によってさらに上にある提灯に徐々に火がともりました。
一瞬のことであり、動画もほとんど間に合っていませんが載せておきます。

※花火を右ポールに飛ばす

※徐々に上の提灯がつく

また、花火を吊るして空中を走るように点火させていました。
しだれ桜のようで、また色が途中で変わり綺麗でした。
時間的にも暗くなってきており、流れる花火に盛り上がっていました。

※花火の色が変化する

蛇ノ口花火はメインになります。
あらかじめ準備しておいた蛇車を指定の位置まで移動させます。

蛇車の移動

※蛇ノ口花火の準備

※蛇車を移動させる

蛇車を前後に動かしながら、上部からでた竜が放つ花火は非常に派手で大きな火を噴きます。
竜の首を振って花火がいろいろな方向を向きます。
一番の大盛り上がりです。

※蛇ノ口花火

終わった後の竜は煙が出てましたが運ばれて行きました。

運ばれる竜

※運ばれる竜

祭りの終わった後の竜

※祭りの終わった後の竜

打ち上げ花火は色とりどりの花火が連射されています。
間近でみることが少ないため興奮します。
沢山の玉が入っていたようです。

※カラフルに打ち上がる花火

パチパチと光る花火や手持ち花火は点火者が非常に熱そうでした。
特に手持ち花火は並んでいるため隣の人との距離も近く、長時間熱そうでした。

※広い範囲に花火が舞う

手持ち花火

※手持ち花火

他にもいくつかの花火がありました。
いずれも一つ一つの花火を主役に見せるような素敵な花火でした。
全部で1時間ほどの満足する時間でした。

【感想】
今回初めて大足蛇車まつりを見ました。
歴史があり、花火が派手で驚きました。
花火は同じ愛知県だと東三河の手筒花火や岡崎の花火大会などが有名ですが、
大足蛇車まつりでは一つ一つの花火を味わうような感覚でじっくりと楽しめました。
仕掛け花火の多彩さと伝説に基づく演出が、この祭りならではの魅力でした。
また、地元の人たちが大変集まっており賑わいを見せていました。
機会があればぜひ大足蛇車まつりを楽しみに出かけてみてください。

ーカメビギ

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